「京都の現役高校生は、ヤバすぎる。~超絶演奏CM」
京都の市立高校に通う高校生は、
本当に凄い―――。
そう感じざるを得ない、
ものすごい映像が撮れました。
京都市内には、
・堀川高校
・西京高校
・紫野高校
・銅駝美術工芸高校
・京都堀川音楽高校
・日吉ケ丘高校
・塔南高校
・京都工学院高校(洛陽工業、伏見工業が統合して2016年4月に新設)
という、8つの「市立」高校があります。
公立高校ながら、
全国でも稀に見るほど、
各校とも特色溢れる、最先端の教育を受けることができ、
いわゆる“お勉強系”では帝国大学にバンバン送り込み、
“芸術系”も、東京藝大、京都市立芸大、桐朋学園大、武蔵野美術大
など、トップの大学に進学していく子が多く存在します。
他にも、
理系の京都工学院では、少女マンガとコラボして
お洒落な制服に生まれ変わったり、
日吉ケ丘では高等学校では全国で初めてとなる
英語でのみコミュニケーションをとる
「英語村(HELLO Village)」が開設されるなど、
非常に特色のある教育を受けることができます。
このように、「京都の『市立』高校の素晴らしさ」を
挙げ出すと枚挙にいとまがないのですが、
それを象徴する存在として、
京都堀川音楽高校の生徒さんの「超絶演奏」を映像に収め、
「国立や私立だけじゃなくて、京都は“市立も凄いんです”」
という、大切なメッセージを伝えられたらと思いました。
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■出演:辻本 莉果子さん
(京都市立京都堀川音楽高等学校 器楽専攻(ピアノ)3年)
■音楽監修:藏野 雅彦さん
(京都市立京都堀川音楽高等学校 教頭 指揮者)
■撮影:坂口 周兵さん
<「ザ!鉄腕!DASH!!」「ロンドンハーツ」「シルシルミシル」など
地上波番組およびCMなど多数>
(タイムリー)
■タイポグラフィデザイン:古島 佑起さん
<月桂冠、太平洋クラブ、大阪芸術大学、大阪大学、
奈良の芸術祭「はならぁと」などアートディレクション・デザイン多数>
(ことばとデザイン)
■監督・企画・編集・コピーライティング・プロデュース:
秋山 理二郎 (第弐表現)
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今回、「京都の市立高校8校をPRせよ」との
ミッションを、京都市さんからいただいたわけですが、
「堀音の生徒さんの、ピアノ1本だけでいかせてください!」
という、かなり思い切った企画を通してくださった、
京都市さんの懐の深さに、感嘆しました。
通常、公的なお仕事の場合は、
「偏った出し方は困る」
「他の高校ともっとバランスとってほしい」
などのツッコミが四方八方から入り、
結局、各方面の顔を立てることになり、
企画が“骨抜き”になってしまうような事例が、少なくありません。
私たちの、
「絶対に、堀音の生徒さんのピアノでお願いします。
ヴァイオリンでも、フルートでもなく(最も素人にも馴染みのある楽器で)」
というワガママな案を
スパッと通してくださった背景で、
きっとたくさんの方が、調整に動いてくださったものと想像します。
「自由にやれ!」とお許しくださり、心から感謝しています。
そのご期待に応えるべく、
最高に腕のいい制作・技術スタッフさんを集めて、
京都市さんの熱量に負けないお仕事ができたと思っています。
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ちなみに、今回のCM撮影にご協力くださった堀川音楽高校さんは、
葉加瀬太郎さん(ヴァイオリニスト)や佐渡裕さん(指揮者)を
輩出した、いわゆる“金の卵”たちばかりが集まる、音楽の名門校です。
一般的な感覚でいくと、こんな高校がぽこっと「公立」で
存在していることに、びっくりですが…!
学校内に入ると、生徒さんは皆とても元気で、
私たちスタッフと廊下ですれ違っても
「こんにちは!」と皆が挨拶してくれる、
とても良い空気の学校でした。
撮影の際には、
3年生の辻本莉果子さんに演奏をお願いし、
そして、音楽監修として、著名な指揮者であり、
同校の教頭先生でもある、藏野先生にご同席いただきました。
彼女の凄まじい演奏を何度も目の当たりにし、
「こちら(制作サイド)的には、OKです」
と、監督オッケーを何度も出しているのですが、
藏野先生と、辻本さんの間では、
「ちゃんと弾こうとしすぎやね」「そうですね」
「少し急いでる感じが出てるね」「わかりました」
など、素人的には「解読不能」な、
ハイレベルな会話とダメ出しが飛び交っていました。
ただ、藏野先生と辻本さんの間に流れる
“厚い信頼関係”が、その会話の端々に感じられて、
(辻本さんは先生を尊敬し、また、先生も
辻本さんのことを一人間として尊重している)
その教育水準の高さに、改めて感心しました。
(勉強や、音楽、美術などはあくまで「特殊能力」にすぎず、
結局は「それを通して、いかに人間教育をするか」だと思いますが、
その水準が非常に高いと感じました)
30秒のCMを構成するためには、
彼女に何度も何度も、同じ楽曲の同じフレーズを
弾いていただき、様々なアングルから撮影しなければならないのですが、
イヤな顔ひとつせず、「はい!」と笑顔で対応してくださる人間性に、
スタッフ一同、大感動…!
こちらが
「すみません、もう1回お願いしまーす!」
と言う度に、わるいことをしている気になって、
胸がぎゅっと締め付けられました。
辻本さん、藏野先生のお人柄が素敵だったので、
現場の雰囲気はとっても和やかで、
真剣勝負ながらも、とても柔らかく温かい時間になりました。
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撮影に関しては、プロフェッショナル集団の
「坂口組」にお願いしたため、画は抜群。
ライティング、カメラワークともに
完璧にやってくださったので、
モニターを眺めながら、
「このCMは、もらった!」と現場で確信していました。
辻本さんの演奏、そしてカメラマンさんの撮影、
ともに一級品だったため、
このCMは「企画と、素材(=撮れた映像)」の時点で、
勝負は決まっていたと思います。
編集する側の仕事は、
「いらんことをしないこと」。それだけです。
CMのタイポグラフィはいつもお世話になっている、
アートディレクターの古島佑起さんに手掛けていただき、
映像のラストがビシッと締まりました。
(他にも、「極太明朝版」とか、お蔵入りにした
良いタイポグラフィもたくさんありました)
素晴らしい演者さん、先生、
ブレーンさん、広告主さんの
“熱量”が30秒にぎゅっと詰まった映像になりました。
京都に会社を構えながら、
なかなか地元でのお仕事ができていなかったので、
今回のめぐり合わせに、深く感謝します。
皆さん、本当に、ありがとうございました。
このCMに携わってくださった、全ての方に
心からの感謝を込めて。