「映画館のスクリーンで流れるCM」を、撮らせていただきました。
“伝統工芸の粋にふれる”京都伝統産業ふれあい館さま
(@みやこめっせ(平安神宮近く))からのご依頼です。
京都には西陣織、京友禅、清水焼、京人形、金属工芸品、
京仏壇、京象嵌、京うちわなどなど、
枚挙に暇がないぐらいの、
極めて高度な伝統工芸が息づいています。
それに実際触れ、体験・体感できる公的施設が、
「京都伝統産業ふれあい館」です。
毎週、各ジャンルの職人さんがふれあい館に来てくださり、
間近でその技術を見たり、もしくは体験することができます。
ただ一般的に、若い人たちにとっては、
「伝統工芸って、自分にはあまり関係ないもの」
「良いものなのは知ってるけど、
お金持ちの大人が買うもの(自分には手が届かない)」
「というかそもそも、自分たちの服装に合うような
デザインのものなんて、ないでしょ!?」
ということになりがち。
「なるほど、それならば。」
ということで、ふれあい館の
素敵な女性マネージャーの方が、
「思いっきり、やっちゃいましょう」
ということで、振り切った15秒を作ることを
許してくださいました。
この方は、ふれあい館に赴任されるやいなや、
次々に“攻めた”仕掛けを炸裂させていらっしゃっていて、
「ふれあい館って、かなりヤバい(←良い意味のほう。)
施設なんじゃない!?」
というイメージが今はじわじわ広がりつつあるのですが、
それを若い世代に伝える“名刺代わり”としても、
このCMを機能させたいと考えました。
「15秒」となると、CM的にはほぼ“一発芸”に近く、
あまり入り組んだ構成や仕掛けがしにくいのですが、
映画館という、「映像も音も、最高の環境で見られる」ことを
しっかり意識して、企画させていただきました。
映画館の「映画本編の前に流れるCM」では、
地元の温泉旅館や、結婚式場とかの、
かなりトラディショナルな映像が流れがちなのですが、
それらでは「映画館のゴージャスな視聴環境を活かす」ために、
BGM、セリフ、効果音をギンギンに詰め込んで
「音の洪水」みたいになってることが多いです。
(気持ちはよくわかるのですが。。。)
それらの映像と一連で流れることをしっかり意識しつつ、
映像も、音も、要素をどんどん間引いて、
ガチャガチャしがちな「本編始まる前」のCM祭りの中に、
ある種、
「シーーーーーン」
とした静寂を作れればと思いました。
そして、15秒の後半に来るまで、
何の題材のCMなのかはわからないようにしつつ、
最後に
「え、これがふれあい館の!?」と
意外性を持っていただけるように。
伝統産業は、常に「新しいもの」を作り続けてきたからこそ、
数百年、千年と伝承されてきたわけであり、
ものすごく洗練されたデザインの
“一級品”が、あまた存在しています。
しかも、職人さんの手作りで
品質が高いので、「長く使える」。
それらを「若い人たちにも知ってほしい」ことから、
映画館という媒体を
ふれあい館の皆さまは選定されたのでした。
尚、本CMにおいて見事にモデルを務めてくださった
Anastasiya(アナスタシア)さんは、この「ふれあい館」の職員さんです。
CM企画の打ち合わせ中に、ふと後ろを通られた
アナスタシアさんを見て、
「あの方に出ていただきたいです!!」
と無茶を申し上げて、何とかご許可いただきました。
ふれあい館の皆さま、ご協力本当にありがとうございました…!!
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●出演:Anastasiya Bulkavetsさん(京都伝統産業ふれあい館 職員)
●商品選定:京都伝統産業ふれあい館の皆さま
●撮影:坂口 周兵さん
<「ザ!鉄腕!DASH!!」「ロンドンハーツ」「シルシルミシル」など
地上波番組およびCMなど多数>
(タイムリー)
●ヘアメイク:山口 裕子さん
<ミズノ、teany、イオン、Pretty、WUAQ、NTT docomo、
SANYO、小林製薬、阪急3番街、岡本、ピーチアビエーション、
ニッセン、フェリシモ、オムロンなど多数>
●タイポグラフィデザイン:古島 佑起さん
<月桂冠、太平洋クラブ、大阪芸術大学、大阪大学、
奈良の芸術祭「はならぁと」など
アートディレクション・デザイン多数>
(ことばとデザイン)
●アシスタントディレクター:岡田 昂大さん
●監督・企画・編集・プロデュース:秋山 理二郎 (第弐表現)
(放映場所:「TOHOシネマズ」「MOVIX」「Tジョイ」など、各シネマコンプレックス)
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■ふれあい館公式Webショップ「miyabi」
http://www.miyabihan.jp/