「どてっ腹に風穴を開けなければ、“灘”には一生勝てなかった。
~月桂冠、王者への挑戦」。
押しも押されぬ、日本を代表する清酒メーカー、
月桂冠さんの冊子ができ上がりました。
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■アートディレクター・デザイナー
古島 佑起さん (ことばとデザイン)
■揮毫
薛 翔文さん (書家)
■カメラマン
長谷川 朋也さん
■用紙提供
矢口 智子さん (株式会社 竹尾)
■クリエイティブディレクター・コピーライター
秋山 理二郎 (株式会社 第弐表現)
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月桂冠の、370年以上続く歴史を考えると、
「おかたい、安定した会社」のような
イメージを持たれるかもしれませんが、
内実は、全く「逆」。
基本的に「酒」と言えば
歴史上、兵庫県の「灘」が圧倒的であり、
「灘か、灘以外か」
で峻別されていた苦しい期間が、百年単位で続いていたのです。
(江戸時代の頃は、どれだけ品質を上げても
「何や、灘の酒やあれへんのか」
と、“場違い酒”扱いされ、
良い値段では売れませんでした)
そんな中、京都・伏見という水資源に恵まれた場所で
月桂冠は、
■日本初の「防腐剤のない清酒」
■年中造れる「四季醸造」の実現。
(明治初期までは、冬場のみの「寒造り」が主流)
など、今や「全ての酒造メーカーのスタンダード」となっている
革新的な技術を次々と生み出し、
「日本酒と言えば、灘」という“イメージ”に、
圧倒的な技術力で、対抗をしてきました。
そんな、王者の牙城に“風穴”を開けるような
衝撃的な技術革新の数々が、月桂冠のスピリットであり、
また、今日、私たちが口にしている
世の中の「むちゃくちゃ美味しい日本酒」は、
それらの積み重ねによって、実現したと言っても、
過言ではないと思います。
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「紙面上で、プロジェクトXをやりましょう」で始まった、
今回の冊子制作。
今回も、最高のスタッフが集まってくれて、
濃密で、緊張感ある内容に仕上がりました。
特に、表紙のキャッチコピー揮毫の
「墨の飛び、かすれ」など
超細かいディテールにまでこだわって
デザインしてくれた、古島さん、薛さんには
頭が下がります。
(私も、1万6000字という、通常の広告では考えられない、
「短編小説」レベルのコピーを書ききりました。。。)
ここには書けないような、いろいろなすったもんだも
ありましたが^^;、
最後まで丁寧に走りきってくれた
素晴らしいチームに、
そして、本業でお忙しい中取材に快く応じてくださった
月桂冠社員の皆さまに、心から感謝申し上げます。
これから3年間ぐらいは、これらの冊子が
様々な場面で配られます。
日本酒の魅力、京都のメーカーの醍醐味を、
全ての人が感じてくれることを願って。